2009年08月12日

東京青松とは

 東京青松を貫くのは「引き算の美」という理念。

 現代日本の評価軸は「スキル型」。結果を重視する企業の姿勢が点数重視の教育を生み、需要に合わせてスキルを身につけることが近道であるというムードすらあります。

 しかし、そうした足し算の力学=外部装着型の成長論が個人の空洞化を招き、時代をも空虚なものにしているのではないでしょうか。

 人はつい、たくさんの機能が盛り込まれた携帯電話を選んでしまうものです。使わないままの機能があるにも関わらず、次もまた多機能携帯を手にとってしまったり、そのつもりはなくとも、店には多機能で高額な端末しか並んでいなかったりする。

 東京青松は、そうした時代のトレンドに対するカウンターとしての「引き算の美」を、様々な角度で提示していきたいのです。

 結果ありきの武装ではなく、その人の原点を見つめ直し、経過を大切にするしなやかな強さを身につけること。これは東京青松の変わらぬコンセプトであり、演者育成・演出の指針でもありました。

「東京青松とは何か」という質問に一言で答えるのは、今なお困難だと感じています。引き算の強さを提示し、必要とする人々に提供していくこと。個人の再構成こそが根本であるため、ジャンルは問わず、必要としてくれる人、賛同してくれる人の数だけ説明が増えていくのです。

 演劇活動から始まった東京青松ですが、追求したのは芸術でも興行でもなく、ひたすら「人」でした。その色褪せない確かさと厚みを、まずは篠田 青の連載『東京青松の道/東京青松から』でじっくりと味わってみて下さい。
posted by 東京青松 at 02:10| 東京青松とは